「ドラゴンクエストXを支える技術」を読みました
11月14日、技術評論社から「ドラゴンクエストXを支える技術」が発売されました!
発売記念トークセッションの模様がYouTubeで公開されてます。年内は見られるらしい。
行きたかったけどちょっと厳しかったんであきらめました。
まだ残ってたー! pic.twitter.com/dt6UXSZleC
— にゃ (@nya_dq10) November 9, 2018
先行発売で入手していたのですが、読み終えるのに結構時間がかかっちゃいました。 (家に帰るとすぐドラクエ10にインしちゃう)
目次
- 第1章 ドラゴンクエストXとは何か ── ドラゴンクエストかオンラインゲームか
- 第2章 開発・運営体制 ── ドラゴンクエストXを支える人々
- 第3章 アーキテクチャ ── クロスプラットフォームMMORPGの基本構成
- 第4章 開発と検証 ── 並走する追加と保守のサイクル
- 第5章 メモリ管理 ── MMORPGのボトルネック
- 第6章 キャラクター ── 手描きアニメ風の表現と着替えによる多様化
- 第7章 ゲームサーバプロセス ── 機能ごとに分離して負荷分散
- 第8章 キャラクター移動 ── 移動干渉による押し合いへの挑戦
- 第9章 ゲームDB ── ワールド間の自由移動を実現する一元管理
- 第10章 ゲーム連動サービス ── ゲーム内とつなげるための工夫と力技
- 第11章 運営と運用 ── リリースしてからが本番!
- 第12章 不正行為との闘い ── いたちごっこ覚悟で継続対応
この本のターゲット
青山さんのこだわりで、ドラクエ10をプレイしていない人やエンジニアじゃない人両方にそれぞれ丁寧な解説がついています。
例えばドラクエプレイヤーじゃない人には「旅人バザーというのは〜」とか、エンジニアじゃない人には「C++というのは〜」とかそんな感じ。
ドラクエプレイヤーやエンジニアな人には「その説明はいらんわw」と感じることもままあるかもしれません。 (少なくとも自分はそうでした)
まぁつまりどんな人でもそれなりに読めます。
トークセッションでりっきーをMCに抜擢したのは「りっきーでも読める」ということらしいです。
内容
ドラゴンクエスト10とは、から始まり運営の体制の紹介、軽く技術的な説明が入ったあとに細かい内容の紹介。
第7章〜第10章あたりが個人的に読み応えがありました。
DQXTVの「教えて青山さん」のコーナーやスタッフが来た時の話とかぶる部分がそこそこあります。
感想
Oracle Exadataと内製ツール(Vce、Crystal Toolsなど)を使っているところ以外は割と普通だなという。 ただ、Subversionだったり、NFSを各所で使用してたり、KVSがKyoto Tycoonだったりとか開発初期の構成をそのまま長く使用していて安定志向というか保守的だなという印象を受けました。
写真の処理にLambda使う話は「なるほど」と思いましたが処理結果はオンプレミスのサーバに。 「戻すんかい!w」と思ってしまいました。
DevOpsまわりも初期からそのままな印象。通知の基本がメールだったりとかデプロイ周りが洗練されていないとか。 このへんはやりたがりが一人いるとどんどん変わっちゃいますから。
その他
カラー印刷。このシリーズではめずらしい。
また、100点以上の豊富な図で解説しています。しかも紙面はフルカラー! 実は10月頭に表紙画像を公開した時点では、いつもどおり白黒の予定でした。そこから急遽、お値段すえ置きでカラーに方針転換。フルカラーの本を作ったのは初めてです。そしてきっとしばらく作らないと思います。 #DQ10 #wdpress pic.twitter.com/5eVFBr5jgJ
— inao (@inao) November 14, 2018
まとめ
技術書としてはちょっと冗長なところはありつつも、何年も実運用されているオンラインゲームの裏側・技術を知ることができて非常に満足しました。 コラムも多くなかなか楽しめました。
実は紙の本だけではなく電子書籍版も購入してたりします。 紙の本はいつか青山さんにサインもらえたらなぁ〜
前エントリでも書きましたが、Gihyo Digital PublishingだとPDFとePub版が入手できるのでおすすめです。
といいつつAmazonもペタリ。
ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
- 作者: 青山公士
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/11/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いじょう!